この記事のポイントは?
リクシル(LIXIL)のトイレが故障したら、どうすればいいのでしょうか。リクシルのトイレは機能性に優れた製品ですが、その分、内部構造が複雑で、修理には専門知識が必要です。
「故障したけど、どこに頼めばいいの?」「修理費用はどのくらいかかるの?」と不安に思う方も多いでしょう。そんな疑問や不安を解消するために、この記事ではリクシルのトイレ故障時の対処法を詳しく解説します。
リクシルのトイレには、知らないと高額な修理費用を払うことになりかねない、特有の落とし穴も存在します。トイレのトラブルに備えて、ぜひ参考にしてみてください。
リクシルのトイレ特有の故障と解決策
リクシルのトイレだけとは限りませんが、発生しやすい問題とその解消方法について解説します。
つまり
リクシルのトイレでつまりが発生した場合、まずは自分で対処できる方法を試してみましょう。トイレのつまりは、大きく分けて「便器内のつまり」と「排水管のつまり」の2種類があります。
便器内のつまりは、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどが原因で起こることが多いです。この場合は、ラバーカップ(いわゆるスッポン)を使って吸い上げるのが効果的です。
一方、排水管のつまりは、便器内のつまりよりも深刻な問題となることがあります。長年の使用による汚れの蓄積や、異物のつまりが原因となります。この場合は、業者に依頼するのが賢明です。
家庭用の高圧洗浄機を使ってつまりを取り除く方法もあります。ただし、高圧洗浄機の使用には十分な知識と経験が必要なので、自信がない場合は業者に任せましょう。
水漏れ
リクシルのトイレで水漏れが発生した場合、早めの対処が肝心です。水漏れを放置すると、床や壁の腐食や、カビの発生につながる恐れがあります。
水漏れの原因は、大きく分けて「タンク内部の故障」と「配管の劣化」の2つが考えられます。タンク内部の故障としては、ボールタップやフロートバルブの不具合、パッキンの劣化などが挙げられます。自分で交換できる部品もありますが、専門知識が必要な場合は業者に依頼しましょう。
さらに、リクシルの一部モデル(主にオフィス用)では、常に安定した水勢を維持するためのフラッシュバルブが使用されています。フラッシュバルブのゴムパッキンに劣化がないか確認することも大切です。
配管の劣化による水漏れは、長年の使用によって起こります。特に、金属部分の腐食やゴム部分の劣化が原因となることが多いです。この場合は、部分的な修理ではなく、配管ごと交換する必要があります。
水が止まらない(タンク式)
リクシルのタンク式トイレの心臓部ともいえるのが、フロートバルブとボールタップです。フロートバルブは、タンク内の水位を調整する役割を担っています。一方、ボールタップは、フロートバルブを開閉するための部品です。
水が止まらない原因としては、フロートバルブやボールタップの不具合、ゴムパッキンの劣化などが考えられます。フロートバルブやボールタップが正常に動作しないと、水位が調整できずに水が溢れ続けてしまうのです。
自分で修理する場合は、まずタンク内の水を抜き、フロートバルブやボールタップを点検します。ゴミや汚れが付着していれば取り除き、動作をチェックします。それでも改善されない場合は、部品の交換が必要です。
また、一部リクシル商品に搭載されているピストンバルブが原因である可能性があります。ピストンバルブは、タンク内の水を便器に流す役割を果たしています。以下の点検で異常が見つかった場合は、ピストンバルブの交換が必要です。
- ピストンバルブを取り外し、ゴミや汚れがつまっていないか確認する
- ピストンバルブのゴムパッキンに劣化がないか確認する
ただし、ピストンバルブの交換には、専門的な知識と技術が必要となります。
水が止まらない(タンクレス式)
リクシルのタンクレス式トイレで水が止まらない場合、一部のオフィス・マンション用商品で採用されているフラッシュバルブの不具合と増圧ユニット(ブースター)の故障が挙げられます。
リクシルのタンクレス式トイレには、独自の高機能フラッシュバルブが採用されています。このフラッシュバルブは、優れた節水性能と強力な洗浄力を実現していますが、その分、構造が複雑になっています。
バルブ内部のゴミや汚れ、パーツの劣化などが原因で、フラッシュバルブが正常に動作しなくなると、水が止まらない状態になってしまいます。
また、リクシルのタンクレス式トイレには、ブースターという独自の部品が使用されています。この圧力調整ユニットは、フラッシュバルブに一定の水圧を供給する役割を担っていますが、経年劣化などによって故障すると、水圧が不安定になり、水が止まらなくなることがあります。
修理や交換には専門知識が必要です。また、部品の在庫状況によっては、修理に時間がかかることもあります。
流れが悪い
リクシルのトイレで流れが悪くなった場合、その原因はいくつか考えられます。まず、便器内の汚れや異物によるつまりが挙げられます。トイレットペーパーやティッシュペーパーを大量に流したり、異物を流したりすると、排水口や排水管につまりが発生し、流れが悪くなります。
また、リクシルの一部機種に搭載されているサイホンゼット式システムの汚れやつまりも考えられます。リクシルのトイレには、強力な洗浄力を実現するために、独自のサイホンゼット式が採用されています。このサイホン式トラップは、排水の際に強力な吸引力を生み出しますが、その分、汚れや異物が溜まりやすくなっています。
流れが悪くなった場合は、まずはラバーカップ(スッポン)を使って、便器内のつまりを取り除きます。それでも改善されない場合は、サイホンを分解して清掃する必要があります。ただし、サイホンの分解には専門知識が必要なので、自信がない場合は業者に依頼するのが賢明です。
異音がする
リクシルのトイレで異音が発生した場合、その原因は配管の振動が挙げられます。トイレの水を流す際、配管内を水が高速で流れることにより、配管が振動し、異音が発生することがあります。特に、以下の場合に振動が大きくなる傾向があります。
- 水圧が高過ぎる
- 配管の固定が不十分
異音への対処法としては、まず、配管の固定状態を確認します。配管がしっかりと固定されていない場合は、固定を強化することで、振動を抑えることができます。また、水圧が高すぎる場合は、減圧弁を取り付けることで、水圧を調整することもできます。
また、リクシル一部モデル特有の原因として、フラッシュバルブの不具合も考えられます。フラッシュバルブが正常に動作しないと、異音が発生することがあります。フラッシュバルブ内のゴミや汚れ、パーツの劣化などが原因として考えられます。バルブ内部を清掃し、パーツの劣化がないか確認します。
リクシルのトイレ修理修理費用の相場とは?
リクシルのトイレ修理費用は、トラブルの内容や部品の種類、作業の難易度などによって大きく異なります。
メーカー修理を依頼した場合、見積は以下の積算で提示されます。
- 出張料
- 技術料
- 部品代
簡単な部品交換であれば、1.5万円程度で済むこともありますが、配管工事を伴うような大がかりな修理になると、10万円以上かかることもあるのです。
修理費用を左右する大きな要因の一つが、トイレのタイプです。リクシルのトイレには、大きく分けて「タンク式」と「タンクレス式」の2種類があります。
トイレ種類 | 構造の特徴 | 修理費用の傾向 |
---|---|---|
タンク式 | 比較的シンプルな構造 | 比較的安価 |
タンクレス式 | 壁内に設置された大型のフラッシュバルブを使用 | 修理には高度な技術が必要 費用も高額になる傾向 |
また、部品の種類によっても、修理費用は大きく変わってきます。例えば、フロートバルブやボールタップなどの消耗品は、比較的安価で入手できます。しかし、便器や排水管、フラッシュバルブなどの主要部品は、高価なものが多く、交換には多額の費用がかかります。
リクシルのトイレ故障の際はメーカー修理と修理業者どちらを選ぶ?
リクシルのトイレが故障した場合に、メーカー修理を依頼するか、一般の修理業者に依頼するか、多くの人が悩むことでしょう。
それぞれの方法のメリット、デメリット、選び方を説明します。
メーカー修理のメリット・デメリット
リクシルのトイレが故障した際、メーカー修理を選ぶメリットは以下です。
- 専門性の高さ
- 純正部品の使用
メーカー修理は、リクシル製品に精通したエンジニアが対応します。製品の構造や仕様を熟知しているため、的確な診断と適切な修理が期待できます。
特に、リクシル特有の部品が原因のケースでは、メーカー修理が最も信頼できる選択肢だと言えるでしょう。
また、メーカー修理は純正部品を使用します。純正部品は、品質が保証されており、製品との相性も抜群です。純正部品を使用することで、修理後のトラブルを未然に防ぐことができます。
一方、メーカー修理のデメリットは以下が挙げられます。
- 費用の高さ
- 対応の遅さ
メーカー修理は、専門性の高さから、一般的な修理業者よりも費用が高くなる傾向があります。また、メーカーの拠点が近くにない場合、修理に時間がかかってしまうこともあります。
修理業者のメリット・デメリット
リクシルのトイレが故障した際、修理業者に依頼するメリットは以下が挙げられます。
- 費用の安さ
- 対応の速さ
修理業者は、一般的にメーカー修理よりも費用が安く抑えられます。また、地域密着型のサービスを提供しているため、トラブルが発生してもすぐに駆けつけてくれます。
修理業者のデメリットとして以下が挙げられます。
- 専門性の低さ
- アフターフォローの不安
修理業者は、リクシル製品に特化しているわけではありません。製品の構造や仕様に詳しくない場合、的確な診断や適切な修理が行われない可能性があります。
また、修理業者のアフターフォローには不安が残ります。万が一、修理後にトラブルが発生した場合、責任を取ってくれるかどうかは、業者によって異なります。信頼できる業者を選ぶことが、トラブルを避けるための重要なポイントだと言えるでしょう。
どのような状況でどちらに依頼するべきか
以下の状況であれば、修理業者に依頼するのが賢明です。
- 軽微なトラブル
- トイレが使用できず一刻も早く修理を完了させたい
- 予算が限られている
部品交換やつまりの除去など、比較的簡単な作業であれば、修理業者でも十分に対応可能です。メーカー修理を選ぶよりも費用を抑えつつ、迅速な対応を期待できます。
また、トイレが使用できない状況では、対応の速さも重要な選択基準となります。メーカーの拠点が近くにない場合、修理に時間がかかってしまうこともあります。一刻も早く修理を完了させたい場合は、地域密着型の修理業者を選ぶのも一つの手です。
一方、以下の場合はメーカー修理を選ぶべきでしょう。
- リクシル特有の部品が原因である可能性が高い
- 大がかりな修理が必要
メーカーのエンジニアは、製品の構造や仕様に精通しているため、的確な診断と適切な修理が期待できます。純正部品を使用することで、修理後のトラブルを未然に防ぐことができます。
ただし、メーカー修理は費用が高くなる傾向があります。予算が限られている場合は、修理業者を選ぶ必要があるかもしれません。その際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。実績や口コミを確認し、アフターフォローも充実している業者を選びましょう。
リクシルのトイレの特徴とは?
リクシルのトイレの特徴について説明します。
LIXILのトイレブランド名がINAX
リクシル(LIXIL)のトイレと聞いて、ピンとこない人もいるかもしれません。実は、リクシルのトイレは、長年「INAX(イナックス)」というブランド名で親しまれてきました。INAXは、1924年に設立された衛生陶器メーカーで、2011年にリクシルグループに加わりました。
現在でも、リクシルのトイレ製品には、「INAX」のブランド名が使用されています。「SATIS(サティス)」や「AQUA CERAMIC(アクアセラミック)」など、INAXならではの独自技術を搭載したトイレが多数販売されています。
INAXのブランド名は、長年にわたって高品質なトイレのイメージを確立してきました。
リクシル(INAX)でおすすめのトイレ
リクシル(INAX)のトイレは、デザイン性と機能性に優れた製品が数多くラインナップされています。中でも、おすすめなのが「SATIS(サティス)」シリーズです。SATISは、リクシルが誇る最高級ブランドのトイレで、洗浄性能や快適性、デザイン性など、あらゆる面で高い評価を得ています。
SATISの特長は、なんと言っても「ハイパーキラミック」という独自の技術です。ハイパーキラミックは、トイレボウルの表面に特殊なコーティングを施すことで、汚れが付きにくく、付いた汚れも簡単に落とせるようになっています。また、ボウル内の水流を最適化することで、少ない水量でも強力な洗浄力を実現しています。
TOTOよりわずかに低価格
衛生陶器(便器)で6割以上のシェアを誇るTOTOに比べると、リクシルのトイレはわずかではありますが価格相場は低めです。
掃除が楽な構造
リクシルのトイレは、掃除のしやすさにも配慮した設計になっています。トイレ掃除は、誰もが面倒に感じる家事の一つです。リクシルのトイレなら、掃除の手間を大幅に減らすことができます。
その秘密は、「フチなし形状」と「ハイパーキラミック」という独自の技術にあります。フチなし形状は、トイレボウルのフチをなくすことで、汚れが溜まりにくくなっています。また、ハイパーキラミックは、トイレボウルの表面に特殊なコーティングを施すことで、汚れが付きにくく、付いた汚れも簡単に落とせるようになっています。
まとめ
リクシルのトイレは高機能ですが、その分内部構造が複雑なため、トラブルの際は適切な対処が必要です。修理費用の相場を把握し、状況に応じてメーカー修理か修理業者かを選択しましょう。故障は突然やってきますが、事前の備えと的確な判断があれば乗り越えられます。不安であれば専門家に相談することも大切です。
トイレは毎日使う大切な設備です。リクシルのトイレの特徴を理解し、大切に使っていきましょう。
よくある質問
リクシルのトイレが故障した場合、まず何をすればいいですか?
- 故障の症状を詳しく把握する
- 取扱説明書を確認し、自分で対処できることがないか調べる
- 保証期間内であれば、リクシルのカスタマーセンターに連絡する
もし自分で対処できない場合や、保証期間が過ぎている場合は、リクシルの修理受付窓口か、信頼できる修理業者に連絡しましょう。トイレの故障は生活に大きな影響を与えるため、早めの対処が肝心です。
リクシルのトイレの修理にはどのくらい費用がかかりますか?
- 軽微な故障であれば、1万円程度で済むこともあります。
- 重大な故障や、部品交換が必要な場合は、5万円以上かかることもあります。
- 修理費用の相場は、トイレの種類や地域によっても異なります。
修理費用が高額になる場合は、トイレの新規購入も検討してみましょう。長期的に見れば、新しいトイレに交換する方が経済的なこともあります。