トイレが流れない!ゴボゴボ異音と水位低下は危険信号?原因と自分でできる対処法を徹底解説

トイレの水を流したら「ゴボゴボ…」と不気味な音がして、水がなかなか流れない…。便器の中の水位が異常に低くなっていて、なんだか怖い。毎日使う場所だからこそ、突然のトラブルに「どうしよう」「このまま使えなくなるの?」と焦ってしまいますよね。

特に賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、「修理費用は誰が払うの?」「管理会社に連絡すべき?」といった心配も尽きないでしょう。

でも、ご安心ください。その症状、原因を正しく突き止めれば、自分で解決できるケースも少なくありません。この記事では、トイレトラブルの専門家が、あなたの不安を解消し、最短で正しい対処へ導きます。

まずは、1分でできる「かんたん診断フローチャート」でご自身の状況をチェックし、冷静に原因を探っていきましょう。この記事を読み終える頃には、何をすべきかが明確になっているはずです。

まずはここを見て!今すぐ原因がわかるかんたん診断フローチャート

まずは落ち着いて、今の状況に一番近いものを選んで進んでみてください。

【スタート】主な症状はどれですか?

  1. 水が流れない・流れにくい質問Aへ
  2. ゴボゴボ・ポコポコと異音がする質問Bへ
  3. 便器内の水位がいつもより低い質問Cへ

【質問A】水が流れない・流れにくい


【質問B】ゴボゴボ・ポコポコと異音がする


【質問C】便器内の水位がいつもより低い

  • Q. トイレを数日間使っていませんでしたか?
    • はい【原因の可能性:高】水の蒸発
      • 水を一杯流せば元に戻ることがほとんどです。病気ではありません。
    • いいえ【原因の可能性:中】排水管のつまり or 空気トラブル

まずは落ち着いて!その症状、緊急度は?セルフチェックリスト

「今すぐ業者を呼ばなきゃダメ?」それとも「自分で直せる?」その判断は、症状の緊急度によって変わります。ご自身の状況がどれに当てはまるか、チェックしてみましょう。

【緊急度:高】すぐに専門業者へ連絡すべき症状

以下の症状が見られる場合、ご自身での対処は危険を伴い、状況を悪化させる可能性があります。無理をせず、速やかに専門業者や管理会社へ連絡してください。

  • 便器から水が溢れそうになっている
  • 固形物(おもちゃ、スマホ、生理用品など)を流してしまった
  • トイレ以外の場所(お風呂場、洗面所など)でも同時に水の流れが悪い
  • 何度水を流しても、水位が下がるどころか上がってくる
  • 便器や床から水が漏れている

【緊急度:中】自分で対処を試せる可能性のある症状

緊急度は高くないものの、放置すると悪化する可能性がある症状です。この記事で紹介する応急処置を試してみる価値があります。

  • 水の流れがいつもより悪い、ゆっくり流れる
  • 水を流した後に「ゴボゴボ」と音がする
  • 便器に溜まっている水の量がいつもより少ない(水位が低い)
  • トイレットペーパーを一度にたくさん流してしまった

【緊急度:低】しばらく様子を見ても良い症状

特定の条件下でのみ発生する症状は、しばらく様子を見ることで自然に解消される場合があります。

  • 台風や大雨の日にだけ「ポコポコ」と音がする
  • 数日間留守にした後、トイレの水位が少し下がっている

なぜ?トイレの「流れない」「異音」「水位低下」5つの原因を特定

あなたのトイレで起きている不思議な現象。その裏には、必ず原因が隠されています。ここでは、専門知識がない方でもイメージしやすいように、5つの主な原因を解説します。

原因1:排水管のつまり(トイレットペーパー・異物)

最も多い原因が、便器の奥にある排水管の「つまり」です。

  • トイレットペーパーの流しすぎ: 一度に大量に流すと、水に溶けきる前に管の中で固まってしまいます。
  • 水に溶けない異物: ティッシュペーパー、お掃除シート、おむつ、ペットの砂などは水に溶けないため、排水管を塞ぐ大きな原因になります。
  • 固形物の誤流: スマートフォンや子どものおもちゃ、ボールペンなどを誤って落として流してしまうケースです。

これらが排水管の通り道を狭くすると、水の流れが悪くなります。そして、水が詰まりを乗り越えようとする際に空気を巻き込み、「ゴボゴボ」という異音が発生したり、水が流れきらずに水位が異常になったりするのです。

【マンション・アパートの場合】
自分の部屋で何も詰まらせていなくても、建物全体の排水管である「共用管」が詰まっていることがあります。この場合、特に低層階の部屋で影響が出やすく、逆流などの大きなトラブルにつながることもあります。自分の部屋だけでなく、他の部屋でも同様のトラブルが起きていないか確認しましょう。

原因2:タンク内のトラブル(水量不足・部品の故障)

水を流す力が弱いと感じる場合、便器ではなく後ろのタンクに問題があるかもしれません。

タンクは、一度に水を流すための「バケツ」のような役割をしています。このバケツに溜まる水の量が少なかったり、水を流すための部品がうまく作動しなかったりすると、排泄物を押し流す十分な水量が確保できず、結果としてつまりやすくなります。

  • 水量不足: タンク内の浮き球の位置がずれて、規定の水位まで水が溜まっていない。
  • 部品の故障: レバーと連動しているチェーンが外れていたり、水をせき止めるゴム製の栓(フロートバルブ)が劣化していたりする。

原因3:排水管の空気トラブル(誘引現象・サイホン現象)

「何も詰まらせていないのに、突然ゴボゴボ鳴る」「他の部屋の生活音が聞こえると、トイレの水が動く」という場合、この空気トラブルが原因かもしれません。特にマンションやアパートなどの集合住宅でよく見られます。

これは「誘引現象」と呼ばれ、上の階の誰かが一度に大量の水を流すと、排水管内の圧力が急激に変化し、あなたの部屋のトイレに溜まっている水(封水)が引っ張られてしまう現象です。そのため、水位が下がったり、空気が引っ張られて「ゴボゴボ」と音がしたりします。これは建物の構造による問題のため、自分で解決するのは困難です。

原因4. 大雨や台風など天候による影響

台風やゲリラ豪雨などで短時間に大量の雨が降ると、地域一帯の排水を処理する公共の下水管の水位が急上昇します。すると、下水管内の空気が行き場を失い、各家庭の排水管を通って逆流してくることがあります。

この空気がトイレの水を押し上げることで、「ポコポコ」という音が発生します。これは一時的な現象であり、天候が回復し、下水管の水位が正常に戻れば自然に解消されることがほとんどです。

原因5. 便器や配管自体の不具合(水漏れ・経年劣化)

長年使用しているトイレでは、便器自体や配管に問題が生じている可能性も考えられます。

  • 目に見えないヒビや水漏れ: 便器や床下の配管に微細なヒビが入っていると、そこから少しずつ水が漏れ出し、便器内の水位がいつの間にか下がっていることがあります。
  • 部品の経年劣化: タンクと便器を繋ぐ配管やパッキンが劣化して、水漏れを起こしているケースもあります。

これらの場合は、専門家による点検や修理が必要になります。

【初心者でも安心】道具別に解説!トイレトラブルの応急処置マニュアル

「原因はなんとなくわかったけれど、どうすればいいの?」という方のために、ご家庭でできる応急処置をステップごとに解説します。作業を始める前には、必ず止水栓を閉め、床に新聞紙やタオルを敷いて水漏れ対策をしましょう。

STEP1:ラバーカップ(スッポン)の正しい使い方とコツ

軽度のつまりに最も効果的なのがラバーカップです。ポイントは「押す」のではなく「引く」ことです。

  1. 便器内の水位が低い場合は、ラバーカップのゴム部分がしっかり浸かるまで、バケツで水を足します。
  2. 排水口にラバーカップのゴム部分を隙間ができないように、ゆっくりと密着させます。
  3. カップを真下にゆっくりと押し込みます。
  4. 今度は勢いよく、真上にグッと引き抜きます。詰まりを吸い上げるイメージです。
  5. 「ゴボゴボッ」という音がして水が流れ始めるまで、3〜4の動作を繰り返します。

ラバーカップ(スッポン)のより詳しい使い方と選び方はこちら

STEP2:お湯と重曹・クエン酸を使ったつまり解消法

トイレットペーパーなど、水に溶けやすいものが原因のつまりに有効です。

  1. 【準備】 重曹(1/4カップ)、クエン酸(またはお酢 1/2カップ)、ぬるま湯(40〜50℃)を用意します。
  2. 便器の排水口に、まず重曹を振りかけます。
  3. 次に、クエン酸(お酢)をその上からゆっくりと注ぎます。泡が発生します。
  4. そのまま1時間ほど放置します。
  5. 最後に、バケツに入れたぬるま湯を少し高い位置からゆっくりと注ぎ入れ、つまりが解消されたか確認します。

STEP3:見落としがち!タンク内をチェックして水量を調整する方法

水の勢いが弱いと感じたら、タンクの中をチェックしてみましょう。

  1. トイレの止水栓を閉めます。
  2. 陶器製のタンクのフタを、両手でゆっくりと真上に持ち上げて外します。(重いので注意!)
  3. タンク内の水位を確認します。通常は、タンクの内側に「WL」と書かれた印があり、その少し下まで水がたまっていれば正常です。もし水が少なければ、浮き球の根元にある水量調節リングやネジで調整できる場合があります。
  4. レバーに繋がっているチェーンが絡まったり、外れたりしていないか確認します。もし外れていたら、元に戻しましょう。

【注意】状況を悪化させる!やってはいけないNG対処法

良かれと思ってやったことが、トラブルを悪化させてしまうことも。以下の方法は絶対に避けてください。

  • 熱湯を注ぐ: 便器は陶器でできています。急激な温度変化でヒビが入ったり、割れたりする危険があります。必ず40〜50℃のぬるま湯を使いましょう。
  • 針金や硬い棒で突く: 排水管の内部を傷つけてしまい、水漏れの原因になります。詰まりをさらに奥へ押し込んでしまう可能性も。
  • 用途の違う強力な薬剤を使う: 配管を傷める成分が入っている薬剤もあります。使用する場合は、必ずトイレつまり専用のものを選び、用法・用量を守りましょう。

【賃貸の方必見】業者を呼ぶ前に!大家さん・管理会社への正しい連絡手順

賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、トラブルが発生してもすぐに自分で水道業者を呼ばないでください。 まずは大家さんや管理会社へ連絡するのが鉄則です。

なぜ先に連絡が必要?費用負担のルールと責任の所在

賃貸物件での修理費用は、原因によって負担者が変わります。

  • 大家さん・管理会社が負担するケース:
    • 建物の配管の老朽化、共用管のつまり、備え付け設備の自然故障など。
  • 入居者が負担するケース:
    • トイレットペーパーを大量に流した、固形物を落としたなど、入居者の過失(うっかりミスも含む)が原因の場合。

もし先に自分で業者を呼んでしまうと、本来は大家さんが負担すべき修理費用も、全額自己負担になる可能性があります。また、管理会社が提携している指定業者以外では修理が認められないケースもあります。トラブルを避けるために、必ず最初に管理会社に連絡して、指示をあおぎましょう。

どう伝える?管理会社への状況説明のポイント

管理会社へ連絡する際は、以下のポイントをまとめておくとスムーズに話が進みます。

  • いつから症状が出ているか? (例:「今朝からです」「昨日の夜から流れが悪いです」)
  • どのような症状か? (例:「水は流れるが、ゴボゴボと音がします」「水位がいつもよりかなり低いです」)
  • 何か心当たりはあるか? (例:「トイレットペーパーを多めに流してしまいました」「特に思い当たることはありません」)
  • 自分で試したことはあるか? (例:「ラバーカップを使ってみましたが、改善しませんでした」)

冷静に状況を伝えることで、管理会社も適切な判断がしやすくなります。

プロに依頼すべきサインと、信頼できる水道業者の選び方

応急処置を試しても改善しない、原因がわからない。そんな時は、無理せずプロに任せるのが最善の選択です。

自分で直せない…専門業者に依頼すべき症状とは?

以下の場合は、専門的な知識と道具が必要になります。迷わずプロに相談しましょう。

  • この記事で紹介した応急処置をすべて試しても直らない
  • 固形物を流したことが確実で、取り出せない
  • 原因が全く特定できない
  • つまりや異音が頻繁に再発する
  • 便器や配管から水漏れしている

気になる修理費用は?トラブル内容別の料金相場

修理費用は、症状や作業内容によって大きく異なります。あくまで目安として参考にし、必ず作業前に見積もりをもらいましょう。

作業内容 料金相場の目安(出張費・基本料金込み)
軽度のつまり(薬剤・ローポンプ使用) 8,000円~15,000円
中度のつまり(高圧洗浄機使用) 20,000円~40,000円
重度のつまり(便器の脱着作業あり) 30,000円~50,000円
トイレタンク内の部品交換 10,000円~20,000円+部品代

※上記はあくまで目安です。夜間・早朝料金が別途かかる場合もあります。

トイレ修理の料金相場についてもっと詳しく見る

悪徳業者に注意!「安すぎる広告」の裏と信頼できる業者の3つの条件

残念ながら、水道修理業者の中には高額請求をする悪徳業者も存在します。「トイレつまり500円~」といった極端に安い広告には注意が必要です。これは基本料金のみで、出張費や作業費が別途高額に設定されているケースがほとんどです。

信頼できる業者を選ぶために、以下の3つの条件を必ず確認しましょう。

  1. 作業前に料金と作業内容を明確に説明してくれるか?
    • 必ず「作業前に無料で見積もり」を出してくれる業者を選びましょう。見積もりに納得できなければ、断ってもキャンセル料がかからないかどうかも確認します。
  2. 複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)
    • 時間に余裕があれば、2~3社から見積もりを取りましょう。料金や対応を比較することで、相場感がわかり、不当な高額請求を避けられます。
  3. 会社の所在地が明確で、口コミや実績が確認できるか?
    • ホームページに会社の住所や電話番号がしっかり記載されているか確認しましょう。また、Googleマップの口コミなど、第三者からの客観的な評価も重要な判断材料になります。

もう繰り返さない!今日からできるトイレトラブルの予防策

無事にトラブルが解決したら、もう二度とあんな思いはしたくないですよね。日々のちょっとした心がけで、トイレトラブルは予防できます。

日々の習慣編:一度に流す紙の量と「流してはいけない物」リスト

  • トイレットペーパーは「こまめに」流す
    • 一度に大量の紙を流さないようにしましょう。特に節水型トイレは水の量が少ないため、詰まりやすい傾向にあります。
  • 「大」「小」レバーを正しく使い分ける
    • トイレットペーパーを流す際は、必ず「大」レバーを使い、十分な水量で流し切りましょう。
  • 【厳禁】これだけは絶対に流さないで!
    • ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、お掃除シート
    • 紙おむつ、生理用品
    • 食べ残し、油
    • タバコの吸い殻
    • 猫砂などのペット用品

定期メンテナンス編:月1回のかんたんチェック&お掃除術

月に1回、5分でできる簡単なお手入れで、トイレを長持ちさせましょう。

  • タンクの中をチェック: タンクのフタを開け、水位が正常か、部品に異常がないかを目で見て確認します。
  • 便器のフチ裏掃除: 尿石が溜まると水の流れを妨げることがあります。クエン酸スプレーなどを使い、ブラシで定期的に掃除しましょう。
  • 就寝前に薬剤を投入: 市販のパイプクリーナーなどを月に1回、就寝前に使用することで、排水管内の汚れの蓄積を防ぐ効果が期待できます。

まとめ

突然のトイレトラブルは、誰にでも起こりうるものです。しかし、落ち着いて対処すれば、きちんと解決できます。最後に、今回のポイントをまとめておきます。

  1. 慌てず症状を確認: まずはフローチャートで原因の見当をつけ、緊急度を判断する。
  2. 安全な対処法を試す: 軽度のつまりなら、ラバーカップやぬるま湯を使った方法を試してみる。NG行動は絶対に避ける。
  3. 賃貸ならまず管理会社へ: 自己判断で業者を呼ばず、必ず大家さんや管理会社に連絡し指示を仰ぐ。
  4. プロに頼む際は慎重に: 業者選びは「事前見積もり」「相見積もり」「口コミ確認」の3つが鉄則。

この記事が、あなたの不安を少しでも和らげて、トイレのトラブル解決に役立てば幸いです。