アパートでトイレが少しずつしか流れない!つまり?原因と正しい対処法
アパート生活ではよくあるトイレの流れの強さ低下。「つまった?たまたま?」と一喜一憂するとき、実は自分で改善できることがたくさんあります!
洗剤や熱湯といった日用品の使い方次第で、ドレンつまりを応急的に解消できるのです。
本記事ではトイレの排水管のメカニズムから処置法まで、アパート住まいならではの対策を一挙紹介。つまりを未然に防ぐ心得も示します。
ぜひ参考にして、賢くコストを抑えつつトイレトラブル対応の自信をつけましょう。
この記事のポイントは?
アパートでトイレが少しずつしか流れない原因
最近のアパートでトイレが完全につまることはまれですが、少しずつしか流れないようになることは稀ではありません。このような場合の原因として、以下の3つが重要です。
アパート特有の配管共有による影響
アパートなどの集合住宅では、トイレの排水管が階下の部屋と共有されていることがほとんどです。したがって、階上や階下の住人の使用頻度やタイミングによっては、パイプ内で水や汚物が滞留しやすくなり、自分のトイレの流れが悪くなることがあります。
例えば、階上の住人が大量の洗濯をした場合、大量の排水が一気に流れ込み、自分のトイレの流れを悪くすることがあります。また、階下の住人がトイレを頻繁に使う場合、パイプ内に汚物が蓄積しやすくなります。
トイレットペーパーの過剰使用
トイレットペーパーは水に溶けにくい性質があるため、大量に使用すると排水管のつまりの原因になりやすいです。特にアパートの排水管が細い場合、少しの量でもつまりを起こしかねません。
トイレットペーパーの過剰使用ですが、ロールタイプの2層以上の高級ティッシュを使う人や、難水溶性のティッシュをトイレに捨てる習慣のある人ほど、使用量が多くなりがちです。例えば10m程度使用すると、少しずつでも溶解しにくい繊維が排水管内の狭い部分でつまりやすくなります。
排水管の老朽化やつまり
アパートの排水設備は数十年は使われ続けることがあるので、排水管自体の腐食や摩耗で汚物が付着しやすくなったり、排水能力が低下することがあります。また、髪の毛などの異物が次第につまって流れを阻害するケースも少なくありません。
排水管の老朽化では、アパートの築年数が30年を超えると、排水管の腐食による隙間から汚物が付着しやすくなることがあります。また、排水管から水漏れが生じている場合、周囲のコンクリートが劣化し管の強度が低下、つまりを招くことがあります。
異物の流入
小さな幼児がいる世帯が多いアパートの場合、おもちゃなどの小さな異物が誤って流し込まれることがあります。また、ペットボトルのキャップやビニール製の歯ブラシなど流し食器から流れるプラスチック製品も流れを阻害します。
異物が排水管の曲がり角などでつまれば、トイレの流量は確実に減少します。排水管内で分解しにくい異物が蓄積するにつれて、完全なつまりにつながる危険性も高くなってきます。
アパートでトイレが少しずつしか流れないときの対処法
アパートで少しずつしか流れないトイレ問題に退職する方法を説明します。
ラバーカップ
ラバーカップ(スッポンやプランジャーとも呼ばれる)は、トイレの排水口に密着させることで通水力を高め、つまりを解消します。ゴムのカップ部分が密封力を発揮し、排水口から強制的に汚物を吸い上げることができます。
ラバーカップをトイレの排水口に密着させた状態でレバーを引き上げます。すると排水管中のつまりを物理的に吸い取ることができます。
ラバーカップは消耗品なので、複数個用意しておくことをおすすめします。
洗剤
アパートのトイレがつまりかけている場合の対処法として、中性洗剤を使用する方法があります。 以下が洗剤の洗浄力を利用して管のつまりを取り除く手順です。
- 食器用中性洗剤や住宅用中性洗剤を排水口とトイレの壁面に直接塗布する
- 30分程度放置する
- ブラシで汚れを磨く
- 大量の水で流し込む
中性洗剤でも石油系の溶解力はある程度期待できますし、汚れに埋もれた微生物をある程度分解する効果もあります。中性洗剤の場合、配管内での残留リスクも低くて済みます。
トイレのつまりが完全ではない初期の段階で中性洗剤を使用することをおすすめします。強アルカリ性の洗剤は配管や器具を傷める可能性があるので避けましょう。
熱湯
アパートのトイレが少しずつしか流れない場合の簡単な対処法として、大量の熱湯を流し込む方法があります。
80~90度くらいに加熱した熱湯10リットルから20リットルを、強い水圧で一気に流し込みます。つまりの主な原因である汚れやゴミが浮き上がり、排水口から強制排出されます。
繊維質のつまりの場合も熱湯による膨張で一気に吹き飛ばす効果が期待できます。
コストがほぼ無料で手軽にできる反面、大量の熱湯を扱う分危険性も高い方法です。防水手袋と保護メガネを着用してください。
熱湯はパイプ内の腐食汚れにも効果的なので、定期的に排水管のメンテナンスとして利用することもできるでしょう。
ペットボトル
手軽に対処できる方法としてペットボトルを利用することがあります。
底部から約4センチメートルの位置で横に切り取ったペットボトルを使用できます。そして、ペットボトルを排水口に差し込んで、上下動させます。
ボトルの圧力と浮力によってある程度のつまりを取り除くことができます。2リットルの大型ペットボトルであれば、汚れやゴミを浮かせる効果も期待できます。
操作は注意深く行う必要がありますが、ペットボトルは入手しやすいので数本用意して試行錯誤しながら対処していくことをおすすめします。回数を重ねることで徐々につまりを解消できることがあります。
ローポンプ
ローポンプとは、手動で水を汲み上げるためのポンプ工具です。アパートのトイレの排水口に取り付けることで、物理的に汚水を吸い上げることができます。
ローポンプの吸水口にはパッキンがついているので、排水口の形状にフィットして密着します。ハンドルを奥深くまで押し込むことでマイナス圧が発生し、管のつまりだけでなく水封だった汚水まで汲み上げる強力な吸引力が得られます。
ハンガー
金属製の衣類ハンガーを使って、アパートのトイレのつまりを取り除く方法があります。ハンガーの端を反らしてU字型に曲げ、そのまま排水口から差し込んで引き上げるのです。
金属ハンガーならある程度の強度があるので、パイプ内のつまりを物理的に引っかけて除去できる可能性があります。汚れなどの軽いつまりであれば、ハンガーをクルクルと回転させることで浮かせることもできるでしょう。
ただし、配管を痛めるリスクがあるので気をつけましょう。
ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシとは、細い金属製の針金を束ねたブラシのことです。このワイヤーブラシを排水口から挿入し、ブラシ部分で管の内壁をこすり洗いすることで、物理的につまりを除去します。
ワイヤーブラシには管の内径よりも一回り小さいサイズの製品を選びます。排水口付近の汚れに密着したまま、ブラシを前後左右に動かして汚れをかき落としていきます。
ただし、ワイヤーブラシは配管を傷つける可能性があります。特に薄いパイプの場合は穴を空けてしまう恐れがあるので気をつけましょう。
パイプユニッシュ
パイプユニッシュとは、ドレンパイプの汚れを溶かす強力な液体洗浄剤のことです。配管のつまりが進行する前の予防策や、初期の段階での使用が適切です。
パイプユニッシュには、強アルカリ性の洗浄成分や石油系溶剤、微生物を分解する酵素などが配合されています。ゲルタイプの製品もあり、排水口の周囲に塗布すると徐々に管内へ密着して効果が持続します。
使用方法は製品の注意書きに従うことが大切ですが、まずは少量を塗布し、20~30分後に大量の水で薄めて流すのがよいでしょう。
大家や管理会社へのトイレつまり報告タイミング
トイレのつまりや流量低下が起きた場合、自分で対処できる範囲と業者任せが必要な範囲の判断基準は以下の通りです。
- ラバーカップや洗剤、熱湯などで改善される軽微な流れの低下なら自分で対処
- ヘアーや異物の除去、軽いつまりの場合も自力で様子を見る
- 自分で様々な対処を試しても1時間以内に改善されない場合は業者
- 完全に水が流れなくなった場合は即座に業者
- トイレ設備や他の水周りに異常が見受けられる場合も業者
上記を目安に、自分でできることは試行錯誤しつつ対応しましょう。業者に任せるべきレベルならためらわず依頼しましょう。
大家や管理会社へトイレつまりを報告する際のポイント
大家や管理会社にトイレのつまりを報告する場合、以下の点に注意しましょう。
- 速やかに連絡し、事実関係を丁寧に説明する
- 写真や動画を用いて現状を可能な限り詳細に伝える
- 自分で取った対応とその効果を報告する
- 他の水回り設備の状況も併せて報告する
- 過去に同様の事例はなかったか尋ねる
- 原因の特定と今後の対策について見解を聞く
事実を隠さず速やかに報告し、業者とも良好なコミュニケーションをとることが大切です。過剰に困惑することなく、解決に向けて管理会社と協力しましょう。
トイレのトラブルにおける費用負担の基本原則
トイレのトラブルが発生した場合の費用負担の基本ルールは以下の通りです。
- 入居者の故意・過失が原因でない限り、費用負担は賃貸人(大家)の管理責任
- 応急処置の費用は賃貸人(大家)が基本的に負担するが、故障原因を究明するための調査費用は両者協議の上、場合によっては入居者が一部負担することもある
- 治療(原因解決)に要する修繕費用は基本的に賃貸人の責任
- 入居者に過失があった場合、あるいは使用上の注意義務を怠った場合は入居者側の負担割合が発生する場合もある
- 共用設備の場合、階上の入居者の使用状況が影響している可能性もあるため、費用負担に関して他居者とも協議する必要がある
上記を踏まえて、トラブル発生時は両者で費用負担の合意形成をはかることが大切です。
後々、一部でも負担が発生するケースも考慮して、修理業者の選定・委託に際しては複数社の見積もりと作業内容をしっかりと吟味したうえで交渉していきましょう。もちろん、管理会社から修理業者の指定がある場合もあります。
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まとめ
アパート生活でつまりがちなトイレですが、実は自力で改善できるケースが多いのです。たとえば洗剤や熱湯といった身近なアイテムを上手に活用する応急処置はとても効果的です。賢い判断のもとに試行錯誤していけば、お金や労力をかけずに流れを回復させられることでしょう。
一方で、様子が全く改善されないような「想定外」の事態にも備え、管理会社との適切なコミュニケーションも欠かせません。遠慮なく相談し、豊富な現場経験に基づくアドバイスをもらいましょう。