
ユニットバスの水漏れ放置は危険!原因特定から修理業者の選び方、料金相場まで完全ガイド
「あれ、ユニットバスの床が濡れている…?」蛇口を閉めても水がポタポタ…。突然の水漏れに、どうしていいか分からず焦っていませんか。
ユニットバスの水漏れは、放置すると階下への浸水や建物の腐食など深刻な事態につながる危険なサインです。
この記事では、パニックにならずに今すぐできる応急処置から、水漏れ箇所ごとの原因特定法、そして後悔しないための修理業者の選び方や費用相場まで、プロの視点から徹底解説します。正しい知識を身につけ、迅速かつ確実にトラブルを解決し、安心できる日常を取り戻しましょう。
この記事のポイントは?
ユニットバスの水漏れで最初にすべき3つの緊急対応
突然のユニットバスからの水漏れ。まずは深呼吸をして、落ち着いて行動することが何よりも重要です。
最初にやるべき3つのステップを具体的にお伝えします。
1:給水を止める
水漏れを食い止めるための最も確実な方法は、水の供給を元から断つことです。まずは、ユニットバス内の蛇口やトイレの近くにある「止水栓」を探してください。
多くの場合、壁やカウンターの下にマイナスドライバーで回せるタイプの栓があります。これを時計回りに回すことで、その器具への給水を止めることができます。
もし止水栓が見つからない、または固くて回らない場合は、家全体の水を止める「元栓」を閉めましょう。戸建て住宅なら敷地内の地面にあるメーターボックスの中に、マンションなら玄関横のパイプスペース内にあることが一般的です。
2:安全を確保する
水を止めたら、次に確保すべきはあなた自身の安全です。水回りのトラブルで最も警戒すべきは漏電のリスクです。水がコンセントや家電製品の近くに及んでいる場合は、感電の危険が伴います。
少しでも不安を感じたら、迷わず分電盤(ブレーカー)の浴室や洗面所に関わる回路をオフにしてください。
また、水漏れによる二次被害を防ぐため、濡れている場所の近くにある家電や家具は速やかに安全な場所へ移動させましょう。
3:状況を記録する
被害が落ち着いたら、スマートフォンなどで水漏れの状況を記録しておきましょう。どこから水が漏れているか、床や壁がどの程度濡れているか、被害を受けた家財はあるかなど写真や動画で詳細に残しておくことが非常に重要です。
これらの記録は、後で賃貸物件の大家さんや管理会社に状況を説明する際や火災保険の申請を行う際に、客観的な証拠として役立ちます。面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が、後の金銭的な負担を大きく左右する可能性があるのです。
ユニットバス場所別水漏れ原因を特定する
応急処置でひと息ついたら、次は水漏れの「原因」を探っていきましょう。ユニットバスをいくつかのエリアに分け、それぞれの場所で考えられる原因をチェックリスト形式で解説します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、原因の特定に役立ててください。
蛇口・水栓まわり
蛇口や水栓は、ユニットバス内で最も水漏れが起こりやすい場所の一つです。以下に挙げるような症状が現れます。
- ハンドルをしっかり閉めても蛇口の先からポタポタ水が垂れる
- ハンドルの付け根から水が滲み出る
- 壁との接続部分が濡れている
これらの主な原因は、内部部品の経年劣化です。特に、部品同士の隙間を埋めて水漏れを防ぐ「パッキン」や、水温・水量を調節する「バルブカートリッジ」は、10年程度で寿命を迎える消耗品です。
また、水栓本体を壁の配管に固定している「ナット」の緩みも、水漏れを引き起こす一因となります。
シャワーまわり
シャワーまわりで以下のような症状が現れることもあります。
- シャワーヘッドから水がポタポタと落ち続ける
- ホースの途中から水が噴き出している
- 水栓との接続部分から漏れている
原因としては、シャワーヘッド自体のひび割れや長年の使用によるシャワーホースの亀裂が考えられます。また、蛇口と同様に、シャワーヘッドやホースの接続部分に使われている「パッキン」の劣化も水漏れの一般的な原因です。
これらの部品は比較的交換が容易な場合もありますが、原因の特定を誤ると無駄な出費につながることもあります。
浴槽(バスタブ)
以下のような症状が現れる場合は浴槽自体を疑う必要があります。
- お湯を張ってもいつの間にか水位が下がっている
- 浴槽を使った後に周りの床が濡れている
浴槽の素材であるFRP(繊維強化プラスチック)や人工大理石は、経年劣化や固いものを落とした衝撃で、目に見えないほどの細かなひび割れ(ヘアークラック)や亀裂が生じることがあります。
また、お湯を抜くための「排水栓」の部品が劣化・故障し、栓がきちんと閉まらなくなっているケースも考えられます。
床・洗い場
以下のような症状の場合は特に注意が必要です。
- 蛇口やシャワーからではないのに洗い場の床にいつも水たまりができている
- 床の一部がブヨブヨと柔らかく感じる
浴槽と壁の隙間や壁パネルの継ぎ目を埋めている「コーキング(シーリング)」が経年劣化で痩せたり剥がれたりすると、その隙間から水が内部に侵入します。また、床材の下にある防水層が破損している可能性も考えられます。
このタイプの水漏れは床下に直接ダメージを与え、階下への漏水や建物の構造部分の腐食につながるため特に危険度が高いと言えます。
トイレ(3点ユニットバスの場合)
トイレ・バス・洗面台が一体となった3点ユニットバスの場合、トイレも水漏れの原因となり得ます。便器の根元、床との接地面あたりに水が溜まっている場合は、トイレからの水漏れを疑いましょう。
原因としては、便器と床の排水管を密閉している部品の劣化や、便器を床に固定しているボルトの緩み、あるいは便器本体のひび割れなどが考えられます。トイレタンク内部の部品の不具合によって、常に便器内に水が流れ続けているケースもあります。
壁の中・天井・床下(見えない場所)
最も厄介で危険なのが、目に見えない場所からの水漏れです。以下に挙げるような症状は、壁内や床下に隠れた配管が破損しているサインかもしれません。
- 壁の中から「シュー」という水の流れる音や「ポタポタ」という滴る音が聞こえる
- 壁や天井にシミやカビが発生している
- 原因不明の異臭がする、
特に、マンションなどで階下の住人から「天井から水が漏れてきた」と連絡があった場合は、ほぼ間違いなく床下で深刻な水漏れが起きています。このような隠れた水漏れは、建物の構造自体を腐食させ、耐震性を損なうなど、甚大な被害につながる恐れがあります。
自分でユニットバス水漏れ修理(DIY)?業者に依頼?
水漏れの原因がある程度推測できると、「自分で直せるかも?」と考える方もいるでしょう。確かに、簡単な修理であればDIYで費用を抑えることも可能です。
DIYが可能なケースと、そのリスク、そして迷わずプロに依頼すべき状況について、具体的な判断基準を解説します。
自分でできるDIY応急処置
DIYでの対応は、あくまで「原因が明確」で「作業が単純」な場合に限られます。以下に挙げるようなケースは、工具の扱いに慣れている方であれば挑戦できるかもしれません。
蛇口・シャワーのパッキン交換
蛇口のハンドル根元や吐水口からのポタポタ漏れで、原因がパッキン劣化だと明らかな場合です。適切なサイズのパッキンとモンキーレンチがあれば交換可能です。
ただし、作業前には必ず止水栓を閉めることを忘れないでください。
シャワーホースの交換
ホースに亀裂が入った場合、新しいホースへの交換は比較的簡単です。水栓側とシャワーヘッド側のナットを緩めて付け替えるだけですが、ネジのサイズやパッキンの有無をしっかり確認する必要があります。
軽度の排水口の詰まり
髪の毛や石鹸カスが原因で水の流れが悪い程度であれば、市販の液体パイプクリーナーで解消できることがあります。ただし、これはあくまで詰まりの「予防」や「初期段階」の対策です。
固形物を流した場合や配管の奥で詰まっている場合には効果は期待できません。
安く済むはずが高くつくDIYの5つのリスク
安易なDIYには、思わぬ落とし穴が潜んでいます。費用を節約するつもりが、かえって大きな出費とストレスを招くことも少なくありません。
リスクの種類 | DIYで起こりがちな失敗例 | 最悪の場合どうなるか? |
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原因の誤診 | ポタポタと漏れる水を「パッキンの劣化」と自己判断し交換。しかし、本当の原因は水栓本体の目に見えない亀裂だった。 |
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症状の悪化 |
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部品・工具の間違い |
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時間とストレス | プロなら30分~1時間で終わる作業が、不慣れなため半日以上かかってしまう | 長時間、断水やお風呂が使えない不便さを家族に強いることになる |
保証がない | 修理に失敗したら、かけた費用や時間はすべて無駄になり、誰も責任を取ってくれない。 | DIYが原因で発生した追加の損害(床下の腐食、階下への水漏れなど)の修理費用もすべて自己負担 |
プロに任せるべきサイン
以下の症状に一つでも当てはまる場合は、DIYを試みるべきではありません。すぐに専門の水道修理業者に連絡してください。それが結果的に最も安全で、確実、そして経済的な選択となります。
- 水漏れの原因が壁の中や床下など、目に見えない場所にある
- 階下の天井や隣の部屋の壁に、水シミやカビなどの被害が出ている
- 家中の蛇口を止めても、水道メーターが回り続けている
- 浴槽や床に、明らかなひび割れがある
- 給水管ではなく、排水管の詰まりや破損が疑われる(排水時にゴボゴボ音がする、悪臭がするなど)
- お住まいが賃貸物件である(無断での修理は契約違反になる可能性があります)
- 少しでも作業に不安がある、または適切な工具を持っていない
悪徳業者に注意!信頼できる水道修理業者の選び方
「プロに任せるべき」と判断しても、次に立ちはだかるのが「どの業者に頼めばいいのか」という問題です。あなたが安心して任せられる優良業者を見抜くための具体的な方法を完全ガイドとしてお伝えします。
水道局指定工事店であるか
水道局指定工事店は、自治体の水道局が給水装置の工事を適正に行えると認めた証です。一定の技術力や機材、資格者(給水装置工事主任技術者)の在籍が条件となっており、信頼性の基本的な指標となります。
ただし、これだけで「絶対安心」というわけではないため、他のポイントと合わせて判断しましょう。
会社の所在地と連絡先が明確か
公式サイトに会社の正式名称、固定電話番号、そして物理的な住所が明記されているかを確認します。ポストに投函されるマグネット広告の携帯電話番号だけ、といった業者は身元が不確かで危険です。
見積もりが明確で詳細か
優良業者は、必ず作業前に書面で見積もりを提示します。その際、「基本料金」「作業費」「部品代」といった内訳がきちんと記載されているかを確認しましょう。
「工事一式」のような曖昧な表記で済ませる業者は要注意です。
相見積もりを推奨しているか
複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、料金の適正さを判断するために不可欠です。「今すぐ契約すれば安くします」などと即決を迫り、他社との比較をさせない業者は価格に自信がないか、何か隠している可能性があります。
実績と口コミが豊富か
公式サイトに具体的な修理事例(写真付き)が掲載されているかを確認しましょう。また、業者のサイト内の「お客様の声」だけでなく、Googleマップや口コミサイトなど第三者の客観的な評価も参考にすることが重要です。
保証とアフターサービスがあるか
修理後の保証制度は、優良業者の証です。「作業後〇年間は保証します」といった具体的な保証期間と内容を確認しましょう。
メーカーの部品保証とは別に、工事そのものに対する保証があるかがポイントです。
対応が丁寧で親身か
最初の電話対応で、業者の姿勢はある程度わかります。
- こちらの状況を冷静に聞いてくれる
- 不安を取り除くような言葉をかけてくれる
- 専門用語を並べ立てて不安を煽るのではなく、分かりやすく説明してくれる
その丁寧な対応が、信頼につながります。
要注意!悪徳業者が使う典型的な手口と断り方
優良業者の特徴と同時に、悪徳業者がよく使う手口を知っておくことで、より確実にリスクを回避できます。
「激安広告」という罠
「水漏れ修理500円~」といった広告は、客を呼び込むためのおとりです。実際には「基本料金」「出張費」「高圧洗浄費」など、様々な名目で追加料金を請求され、最終的には数万円から数十万円になります。
「不安を煽る」トーク
「このままでは家が腐る」「すぐに工事しないと大変なことになる」などと過度に不安を煽り、冷静な判断力を奪って高額な契約を迫ります。
また、簡単なパッキン交換で済むはずが、「配管ごと交換が必要」と言われたり、効果の疑わしい「オリジナルの特殊コーティング」を勧められたりするケースです。
正しい断り方
曖昧な態度は禁物です。「考えます」「結構です」といった言葉は、相手につけ入る隙を与えてしまいます。「契約しません」「お帰りください」と、きっぱりとした言葉で断りましょう。
業者が家に上がり込んで帰らない場合は「不退去罪」という犯罪にあたります。ためらわずに警察に連絡してください。
ユニットバス水漏れの修理料金はいくら?
修理を依頼する上で、最も気になるのが「料金」でしょう。修理料金がどのように決まるのかという仕組み、症状別の具体的な費用相場を透明性をもって詳しく解説します。
修理料金は基本料金+作業費+部品代が基本
多くの水道修理業者の料金は、主に以下の3つの要素で構成されています。
- 基本料金:修理を依頼した場合に発生する最低限の料金。業者によっては「出張費」が含まれていることもあります。
- 作業費:実際に行う修理作業に対する技術料。難易度や作業時間に応じて変動します。
- 部品代: 交換が必要になったパッキンや水栓、配管などの部品そのものの価格
これらに加え、業者によっては「出張費(遠方の場合)」「深夜・早朝割増料金」「見積もり料(契約しなかった場合)」などが別途かかることがあります。
見積もりを依頼する際には、提示された金額がすべての費用を含んだ「総額」なのか、それとも追加料金が発生する可能性があるのかを必ず確認しましょう。
症状・修理内容別の費用相場一覧
以下に、ユニットバスの水漏れでよくある修理内容ごとの費用相場をまとめました。これは複数の修理会社の料金データを基にした目安であり、実際の料金は状況によって変動します。
軽微な修理
修理内容 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
蛇口・シャワーのパッキン交換 | ¥8,000 – ¥15,000 | 基本料金・作業費が含まれます |
排水栓の交換(ゴム栓・ポップアップ式) | ¥10,000 – ¥20,000 | ボタンで操作するポップアップ式は構造が複雑なため高め |
コーキング打ち直し | ¥10,000 – ¥30,000 | 施工範囲や古いコーキングの除去、下地処理の有無によって変動 |
部品交換・中規模修理
修理内容 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
蛇口・水栓本体の交換 | ¥25,000 – ¥60,000 | 交換する水栓本体のグレードで大きく変わります 温度調節機能付きのサーモスタット水栓は高価 |
シャワーホース・ヘッド交換 | ¥15,000 – ¥45,000 | ホースとヘッドをセットで交換する場合の目安 |
排水管の詰まり解消(高圧洗浄など) | ¥20,000 – ¥50,000 | 専用のトーラー機や高圧洗浄機を使用する場合の料金 |
大規模修理・リフォーム
修理内容 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
浴槽のひび割れ補修・塗装 | ¥50,000 – ¥180,000 | ひび割れの範囲や深さ、浴槽の材質(FRP、人工大理石など)によって工法と料金が変わります |
床・壁の部分的な補修・交換 | ¥50,000 – ¥150,000 | 腐食した部分を解体し、防水性の高い樹脂パネルやシートで補修する場合の目安 |
ユニットバス全体の交換 | ¥800,000 – ¥1,500,000以上 | 水漏れを根本的に解決する最終手段で最も高額な工事 |
料金が高くなるケースとは?
提示された見積もりが相場より高いと感じた場合、以下のような要因が影響している可能性があります。
- 深夜・休日の緊急対応
- 重度の損傷や複雑な作業:壁の中や床下での水漏れの場合、壁や床を解体し、修理後に復旧させる解体・復旧費用が加わるため、料金は大幅に上がります。
- 特殊な部品が必要な場合:廃盤になった古い製品や海外メーカー製のユニットバスの場合、交換部品の取り寄せが困難で部品代が高額になることがあります。
- 二次被害の修復:水に濡れて腐ってしまった床下の木材や階下の天井のクロスを張り替えるといった、二次被害の修復費用が別途発生します。
まとめ
ユニットバスの水漏れは、誰にでも起こりうる突然のトラブルです。しかし、この記事で解説したように、正しい知識を持って冷静に対応すれば、被害を最小限に食い止め、確実に問題を解決することができます。
慌てずに水を止め、安全を確保し、状況を記録する。この初動が肝心です。
DIYでの修理はリスクを伴います。少しでも不安があれば、迷わずプロに任せることが結果的に時間と費用の節約につながります。「水道局指定」「詳細な見積もり」「豊富な実績」「充実した保証」などを基準に、悪徳業者を避け安心して任せられるパートナーを選びましょう。
水漏れというストレスから一日も早く解放され、心から安心できる日常を取り戻すために、迅速かつ確実な対応を心がけてください。
よくある質問
ユニットバス水漏れ修理にはどのくらいの時間がかかりますか?
壁の中の配管修理や浴槽の交換など、大掛かりな工事になると数日から1週間以上かかることもあります。業者に見積もりを依頼する際に、作業時間の目安も確認しておくと良いでしょう。
ユニットバス水漏れが自然に止まりました。このまま放置しても大丈夫?
見えない場所でじわじわと水が漏れ続け、気づいた時には建物の構造部分が腐食していた、という最悪のケースも考えられます。症状がなくても、一度プロによる点検を受けることを強くお勧めします。
TOTOやLIXILなど、ユニットバスメーカーに直接修理を依頼するべきですか?
また、水漏れの原因が製品本体ではなく、それに接続されている配管側にある場合、メーカーでは対応できないこともあります。状況に応じて、どちらが最適か判断すると良いでしょう。