エコキュートの修理はどこに頼む?故障の症状・原因から費用相場、優良業者の選び方まで完全ガイド

この記事のポイントは?

エコキュート故障?業者を呼ぶ前に試したい5つのこと

エコキュート故障?業者を呼ぶ前に試したい5つのこと

エコキュートの不調に気づいた際、すぐに「故障だ」と結論づけて業者に連絡する前に、いくつか確認すべき点があります。以下の5つの項目を確認することで、問題が解決する場合があります。

リモコンの確認

まずは台所と浴室のリモコンを確認します。エラーコードが表示されていないか、沸き上げ設定が「休止」や「おまかせ節約」モードになっていないかを確認しましょう。

意図せず設定が変わっていることがあります。

漏電遮断器(ブレーカー)の確認

エコキュート専用の漏電遮断器が「切」になっていないか確認します。多くの場合、貯湯タンクユニットの操作窓の中や下部に設置されています。

もし落ちていた場合、一度だけ「入」に戻してみてください。何度も落ちる場合は漏電の可能性が高いため、ただちに専門業者に連絡が必要です。

給水止水栓の確認

貯湯タンクに水を供給する給水配管の止水栓が完全に開いているか確認します。メンテナンス後などに閉じたままになっているケースがあります。

断水・停電の確認

自宅だけでなく、近隣一帯で断水や停電が起きていないか確認します。エコキュート自体の問題ではなく、インフラの問題である可能性も考えられます。

凍結の可能性(冬季)

冬の寒い日、特に朝方にお湯が出ない場合、配管が凍結している可能性があります。これは故障ではなく、外気温が上昇すれば自然に解凍されることがほとんどです。

無理に熱湯をかけると配管が破損する恐れがあるため、自然解凍を待つか、タオルを巻いた上からぬるま湯を少しずつかけて解凍しましょう。

【重要】「自分で修理」の大きなリスク:なぜプロに任せるべきか

【重要】「自分で修理」の大きなリスク:なぜプロに任せるべきか

軽微なメンテナンスとは異なり、エコキュートの「修理」を資格のない個人が行うことは、極めて危険であり、絶対に避けるべきです。その理由は以下の通りです。

感電・火災の危険性

エコキュートは電気と水を扱う複雑な精密機器です。内部の配線や基盤に不具合がある場合、知識なく触れると感電するリスクがあります。

特に水漏れを伴う漏電は、命に関わる重大な事故につながる可能性があります。ナメクジなどの小動物が内部に侵入し、基盤をショートさせて漏電を引き起こす事例も報告されています。

故障の悪化と追加費用の発生

不適切な分解や部品の取り扱いは、別の部品を破損させる原因となります。例えば、簡単なパッキン交換のつもりがセンサーや基盤を傷つけてしまい、結果的に修理費用が数万円から十数万円に跳ね上がるケースも少なくありません。

一度の失敗が、修理不可能な状態を招き、本体交換しか選択肢がなくなることもあります。

メーカー保証の失効

メーカー保証や延長保証は、「正常な使用」と「専門業者による適切な施工・修理」を前提としています。ユーザー自身が分解・修理を行った場合、それが原因で発生した故障はもちろん、その後のすべての故障に対して保証が適用されなくなります。

法的要件と必要な資格

エコキュートの設置や修理には、法的に定められた以下の専門資格(国家資格)が必要です。

  • 電気配線の接続には「第二種電気工事士」
  • 給水・給湯配管の接続には「給水装置工事主任技術者」

無資格での作業は違法行為となるだけでなく、安全性を担保できません。

よくある症状でわかる故障原因と対処法

よくある症状でわかる故障原因と対処法

エコキュートの不具合は、さまざまな症状として現れます。リモコンにエラーコードが表示されていなくても、普段と違う様子から故障のサインを読み取ることができます。

代表的な症状別に考えられる原因と、ユーザーが取るべき初期対応を解説します。

お湯が出ない・水しか出ない

最も多くの方がパニックに陥る症状です。まず確認すべきは「湯切れ」です。

来客などで普段より多くお湯を使った場合、タンク内のお湯を使い果たしている可能性があります。リモコンで残湯量を確認し、「沸き増し」や「強制沸き上げ」機能を使ってみましょう。

それでも解決しない場合はブレーカーや設定の確認、冬季の凍結などを疑います。これら全てに問題がない場合、温度センサーや混合弁、電子基板といった内部部品の故障が考えられるため専門家による診断が必要です。

貯湯タンクやヒートポンプから水漏れがする

エコキュートの足元が濡れている場合、それが本当に「水漏れ」なのかを見極める必要があります。ヒートポンプユニットは空気中の熱を集める過程で結露水が発生し、これは正常な現象です。

また、貯湯タンクは夜間にお湯を沸かす際に水が膨張します。そのため、余分な圧力を逃がす「逃し弁」から少量の水が排出されることがあります。これも正常な動作です。

問題なのは、これら以外の場所から、沸き上げ時間外にもかかわらずポタポタと水が漏れ続けている場合です。これは配管の接続部のパッキンが経年劣化したか、配管自体が破損しているサインです。

放置すると漏電や建物の腐食につながるため、速やかに給水止水栓を閉め、業者に連絡してください。

普段と違う音(異音)がする

エコキュートは運転中に「ブーン」という低い音を発しますが、これはヒートポンプが作動している正常な音です。

注意すべきは、「キーキー」「カラカラ」といった金属的な摩擦音やファンが何かに干渉しているような音です。これらの異音は、モーターやファンの故障、内部部品の緩みなどを示している可能性があります。

異音に気づいたら、以下を記録しておくと業者への説明がスムーズになります。

  • どのような音が聞こえるか
  • どのタイミングで聞こえるか(例:沸き上げ中、お湯使用中など)
  • どこから聞こえるか(ヒートポンプか、貯湯タンクか)

リモコンにエラーコードが消えない

リモコンに表示されるエラーコードは、エコキュートが自己診断で検知した異常を知らせる最も明確なサインです。一時的なエラーであれば、本体のブレーカーを一度切って60秒ほど待ってから入れ直すことでリセットされる場合があります。

しかし、以下の場合は部品の故障など根本的な問題が発生している可能性が非常に高いです。

  • リセットしても同じエラーが再発する
  • そもそもリセットできない

上記の場合は無理に使用を続けてはいけません。エラーコードを正確にメモして、専門業者に診断を依頼してください。

お湯の温度が安定しない・ぬるい

シャワーを使っていると急に水になったり、設定した温度よりもぬるいお湯しか出なかったりする症状です。まず、以下のどちらかを確認します。

  • 家の中の一つの蛇口だけの問題か
  • 全ての蛇口で発生する

特定の蛇口(例:浴室のみ)で発生する場合は、エコキュート本体の故障ではありません。その蛇口のサーモスタット混合水栓の故障が考えられます。

家中の蛇口で温度が不安定な場合は、エコキュート本体の温度センサーやお湯と水を混ぜて温度を調節する混合弁の不具合が疑われます。

シャワーの水圧が弱い

エコキュートは水道直圧式のガス給湯器と異なり、一度タンクに貯めたお湯を供給するため、もともと水圧が若干弱く感じられることがあります。これは故障ではありません。

しかし、以前よりも明らかに水圧が弱くなったと感じる場合は、いくつかの原因が考えられます。

  • キッチンとシャワーなど複数箇所で同時にお湯を使っている
  • 貯湯タンクの給水ストレーナー(フィルター)やシャワーヘッドがゴミで詰まっている
  • 配管からの水漏れ

お風呂の自動お湯はりができない・止まらない

「ふろ自動」ボタンを押してもお湯はりが始まらない、または設定した湯量になってもお湯が止まらないといったトラブルです。まず、浴槽の栓がしっかり閉まっているか、循環口のフィルターが詰まっていないかを確認してください。

これらが原因で、エコキュートが正常にお湯はりを検知できないことがあります。確認しても改善しない場合は、浴槽の水位を検知する水位センサーやお湯を供給する電磁弁などの部品が故障している可能性が高いです。

特にお湯が止まらない場合は、水道代が無駄になるだけでなく、浴槽からお湯が溢れてしまう危険があります。すぐに貯湯タンクの給水止水栓を閉めて業者に連絡しましょう。

エコキュートのメーカー別エラーコード完全ガイド

エコキュートのメーカー別エラーコード完全ガイド

エコキュートのリモコンに表示されるエラーコードは、機器が発する重要なSOSサインです。しかし、アルファベットと数字の羅列は、一見しただけでは何を意味するのか分かりません。

主要メーカー(パナソニック、三菱、ダイキン、コロナ、日立など)のエラーコードを網羅的に解説します。そして、ユーザーが取るべき行動を「ユーザー対応可能」「リセットで解消の可能性」「要点検・修理」の3段階で分かりやすく示します。

パナソニックのエラーコード一覧

パナソニック(Panasonic)のエラーコードは、アルファベットで問題の深刻度がある程度判断できます。「U」から始まるコードはユーザー自身で対処できる可能性のあるもの、「F」や「H」は専門家による点検・修理が必要なものが多いです。

エラーコード 内容・考えられる原因 ユーザーによる対処法と緊急度
U22 給水配管の凍結
断水
【ユーザー対応可能】
冬季は自然解凍を待つ
断水の場合は復旧を待ってから再度操作する。
U51 浴槽の栓の閉め忘れ 【ユーザー対応可能】
浴槽の栓を閉めてから、再度「ふろ自動」を押す。
U53 浴槽のお湯があふれている 【ユーザー対応可能】
お湯はりの設定湯量を下げる。
F17 機器からの漏水検知 【要点検・修理】
本体や配管からの水漏れの可能性
給水止水栓を閉め、速やかに専門業者に連絡。
F24, H51 冷媒・基盤系の重大な故障 【要点検・修理】
内部の重要部品の故障
使用を中止し、速やかに専門業者に連絡。
H54, H56, H59 三方弁、混合弁の異常 【要点検・修理】
お湯の温度調整や供給に関わる弁の故障
専門業者による点検・修理が必要。

パナソニックは、公式サイト上に詳細な「よくあるご質問(FAQ)」や症状から原因を探るオンライン診断ページを設けています。エラーコードや症状を入力することで、考えられる原因と対処法を確認できます。

三菱電機のエラーコード一覧

三菱電機(Mitsubishi Electric)のエラーコードは多岐にわたりますが、「P」や「U」で始まるエラーはふろ機能関連、「C」は沸き上げ関連の異常を示します。

エラーコード 内容・考えられる原因 ユーザーによる対処法と緊急度
U03 ふろ配管の詰まり、浴槽栓忘れ 【ユーザー対応可能】
浴槽の栓と循環口フィルターを確認・清掃してから再運転する。
P01 ふろ給湯異常(混合弁の不具合など) 【要点検・修理】
お湯はりや温度調整に関わる部品の故障
専門業者に連絡。
P02 追いだき・保温異常 【要点検・修理】
追いだき機能関連の部品故障
専門業者に連絡。
C03 高圧圧力異常 【要点検・修理】
ヒートポンプ配管の詰まりや空気混入の可能性
エア抜き運転を試す
解消しない場合は専門業者に連絡。
C19, C20, C21 沸き上げ温度の高温異常 【要点検・修理】
ヒートポンプユニットの不具合の可能性
専門業者による点検が必要。
C30 入水温度の高温異常 【要点検・修理】
給水温度が高すぎる場合に発生
給湯器への給水温度を確認
改善しない場合は専門業者に連絡。

ダイキンのエラーコード一覧

ダイキン(Daikin)はエラーコードが比較的詳細に分かれています。AI故障診断チャットも提供しており、活用することで原因の切り分けがしやすくなります。

エラーコード 内容・考えられる原因 ユーザーによる対処法と緊急度
E7 ヒートポンプユニットのファンモーター不具合 【要点検・修理】
ファンのロックや故障
周囲に障害物がないか確認
改善しない場合は専門業者に連絡。
FA ヒートポンプユニットの圧力異常 【要点検・修理】
高圧圧力が上昇しすぎている状態
専門業者による点検が必要。
H3 高圧圧力スイッチの不具合 【要点検・修理】
安全装置の異常
専門業者による点検が必要。
J3 ヒートポンプユニットのサーミスタ(温度センサー)異常 【要点検・修理】
ヒートポンプ内の温度を測るセンサー(サーミスタ)の不具合
専門業者による点検が必要。
C30 貯湯タンクのサーミスタ(温度センサー)異常 【要点検・修理】
タンク内の温度検知の不具合
専門業者による点検が必要。
740 リモコンと貯湯タンクの通信不具合 【リセットで解消の可能性】
一時的な通信エラーの可能性
本体ブレーカーの再起動を試す
解消しない場合は専門業者に連絡。

ダイキンは特にAIを活用したオンライン故障診断サービスで先進的で、AIチャットボットによる故障診断サービスを提供しています。サポートサイトからチャットを起動し、「運転しない」「お湯が出ない」といった症状を選択していくと、AIが原因を推測し、対処法を提案してくれます。

サービスエンジニアの訪問が必要と診断された場合は修理料金の目安が提示され、そのままWEBで修理を申し込むことも可能です。

コロナのエラーコード一覧

コロナ(Corona)のエラーコードは「E」「H」「U」「C」から始まります。「C」はユーザーが確認・対処できる軽微な異常が多いです。

エラーコード 内容・考えられる原因 ユーザーによる対処法と緊急度
C01 浴槽栓抜け検知 【ユーザー対応可能】
浴槽の栓を閉め、循環口を清掃してから再度お湯はりを行う。
C03 貯湯量不足検知 【ユーザー対応可能】
タンクのお湯が不足している
「強制沸増」ボタンで湯量を確保してから再操作する。
E14 湯張電磁弁の故障
ふろ配管の詰まり・凍結
【リセットで解消の可能性】
断水や凍結で表示されることがある
取扱説明書に従いエラー解除を試す
再発する場合は専門業者に連絡。
E27 ヒートポンプ・タンク間の通信異常 【要点検・修理】
機器間の通信不具合
専門業者による点検が必要。
E37 漏水検知 【要点検・修理】
本体や配管からの水漏れの可能性
給水止水栓を閉め、速やかに専門業者に連絡。
H15 ファンモーターの故障
積雪・凍結によるロック
【ユーザー対応可能】
冬季にファンが凍結している可能性
周囲の雪を取り除き、自然解凍を待つ
再発する場合は専門業者に連絡。

日立 (Hitachi) エラーコード一覧

日立のエラーコードは「Er」やアルファベット+数字で表示されます。日立製はエラーの強制解除ができない仕様のため、原因が解決するまで表示が続きます。

エラーコード 内容・考えられる原因 ユーザーによる対処法と緊急度
C23 (Er23) 浴そう栓抜け異常 【ユーザー対応可能】
浴槽の栓を閉めてから再度操作
リモコンの指示に従いリセットを試す。
HE05 給水(水熱交入口)サーミスタ異常 【要点検・修理】
温度センサーの不具合
専門業者による点検が必要。
Er09 17時間以上通電なし 【 ユーザー対応可能】
貯湯タンクの電源ブレーカーが落ちている、またはヒーターの異常などが原因
ブレーカーをONに戻し、それでも改善しない場合は専門業者に連絡。
Er15 ふろ(注湯)流量異常(断水、配管詰まりなど) 【リセットで解消の可能性】
断水していないか、給水止水栓が閉じていないか確認
タンクの電源スイッチを入れ直す
改善しない場合は専門業者に連絡。
Er31 ヒートポンプユニットの通信異常 【要点検・修理】
機器間の通信不具合
専門業者による点検が必要。
C01 (Er01) タンク温度センサー(下部75L)異常 【要点検・修理】
貯湯タンク下部の温度を測るセンサーの不具合の可能性
専門業者による点検が必要。

日立は、公式サイト上に詳細な「よくあるご質問(FAQ)」や、症状から原因を探るオンライン診断ページを設けています。エラーコードや症状を入力することで、考えられる原因と対処法を確認できます。

エコキュート修理費用相場と見積もりの見方

エコキュート修理費用相場と見積もりの見方

エコキュートの故障で最も気になるのが「修理にいくらかかるのか」という点です。費用は故障箇所や交換部品、依頼する業者によって大きく変動します。

具体的な費用相場を示し、業者に修理を依頼した際に提示される見積書の正しい見方について解説します。

故障箇所別の修理費用相場

修理費用は、どの部分が故障したかによって大きく異なります。軽微な部品交換から、主要ユニットの修理まで、費用の目安は以下の通りです。

故障内容 修理費用相場(税込) 主な作業内容
リモコンの故障 10,000円~50,000円 リモコン本体の交換、配線の修正
配管の水漏れ・詰まり 15,000円~50,000円 パッキン交換、配管の一部交換、洗浄作業
混合弁・センサーなど内部部品の交換 15,000円~70,000円 温度センサー、水位センサー、三方弁、混合弁などの部品交換
基盤など電気系統の故障 20,000円~100,000円 制御基板、電源基板などの電子部品の交換
ヒートポンプユニットの故障 80,000円~188,100円以上 ファンモーター、コンプレッサー、冷媒回路の修理・部品交換
貯湯タンクの故障 100,000円~300,000円 タンク本体の亀裂など(多くの場合、修理ではなく本体交換となる)

一般的に、修理費用が5万円以下の場合は比較的軽微なトラブル、7万円を超える場合はヒートポンプや基盤といった重要部品の交換が必要な重度のトラブルである可能性が高いと言えます。

【参考】主要メーカー別・修理料金の目安

メーカーが公式サイトで公表している修理料金の目安を比較することで、より具体的な費用感を掴むことができます。これは、専門業者から提示された見積もりが妥当な範囲内にあるかを判断する上でも重要な参考情報となります。

メーカー 症状 修理費用目安(税込)
パナソニック 水が漏れる 15,000円~75,000円
お湯が出ない 25,000円~35,000円
三菱電機 水漏れ 16,500円~68,200円
お湯が出ない(通常) 18,700円~66,000円
お湯が出ない(冷媒回路故障) 73,700円~188,100円
ダイキン タンクから水が漏れている 25,000円~45,000円
お風呂からお湯が出ない 26,000円~30,000円
日立 エラーコードが表示されている 28,000円~120,000円
排水管から排水され続けている 75,000円~77,000円

この表からわかるように、同じ「水漏れ」という症状でも、メーカーによって料金の目安に幅があります。特に三菱電機のように、故障の原因(通常の部品故障か、高額な冷媒回路の故障か)によって費用が大きく異なるケースもあります。

この価格差は、エコキュートのメーカーによる壊れやすさに差があるというよりは、部品の価格や修理の難易度が異なるためと考えられます。ご自身がお使いのメーカーの料金目安を把握しておくことは、修理か交換かを判断する上で極めて重要です。

業者から提示される見積書の内訳

専門業者に修理を依頼すると、作業前に見積書が提示されます。後々のトラブルを避けるためにも、その内容をしっかり理解することが不可欠です。一般的な見積書は、以下の項目で構成されています。

  • 技術料・診断料: 故障箇所を特定し、修理作業を行う専門スタッフの人件費です。
  • 部品代: 交換が必要な部品そのものの価格です。
  • 出張費: スタッフが現場まで訪問するための交通費や経費です。
  • 諸経費: 上記以外の経費で、有料駐車場の利用料金などが含まれる場合があります。

メーカーによっては、修理を行わなかった場合でも「見積診断料」として6,000円~10,000円程度の費用が発生することがあります。

【重要】追加料金が発生するケース

見積もり提示後に、追加料金が発生する可能性もゼロではありません。正当な理由で追加費用がかかるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 配管の延長: 設置状況により、標準以上の長さの配管が必要な場合
  • 特殊な設置場所: 高所や狭所での作業で、特別な足場や追加の人員が必要な場合
  • 電気工事の追加: 分電盤の交換や、専用回路の増設が必要になった場合

優良な業者は、このような追加料金が発生する可能性について事前に説明し、作業を始める前に必ず施主の了承を得ます。説明なく作業を進め、事後に高額な追加請求をする業者は悪質である可能性が高いです。

見積書に「工事一式」としか書かれていないなど、内訳が不透明な場合は、必ず詳細な説明を求めましょう。

信頼できるエコキュート修理業者の選び方

信頼できるエコキュート修理業者の選び方

エコキュートの修理や交換を成功させる上で、最も重要なのが「業者選び」です。修理の依頼先となる業者の種類ごとの特徴を比較し、信頼できる優良業者を見抜くための究極のチェックリストを提示します。

修理の依頼先は5種類!メリット・デメリットを徹底比較

エコキュートの修理を依頼できる先は、主に5つあります。それぞれの長所と短所を理解し、ご自身の状況に最適な依頼先を選びましょう。

依頼先 メリット デメリット おすすめな人
メーカー
  • 製品知識が豊富で診断が的確
  • 純正部品で安心
  • 全国対応
  • 修理費用が割高になりがち
  • 対応が遅れることがある(即日対応は困難)
  • 修理範囲が本体に限定されがち
  • 保証期間内の修理
  • 原因不明の複雑な故障でメーカーの診断を仰ぎたい人
給湯器専門業者
  • 対応が迅速(最短即日対応も)
  • 費用が比較的安い
  • 複数メーカーに対応
  • 電気や水道工事も一括で対応可能
  • 業者の技術力や信頼性に差があるため見極めが必要
  • 悪質な業者が存在するリスク
  • 業者数が少ない
  • 保証期間外の修理・交換を検討中の人
  • 費用を抑えつつ、迅速な対応を求める人(最もおすすめ)
家電量販店
  • 購入店であれば相談しやすい
  • 独自のポイントが付く場合がある
  • 実際の工事は下請け業者が行う(業者は選べない)
  • 中間マージンで費用が割高になる
  • 専門知識が乏しい場合がある
その量販店独自の長期保証に加入している人
リフォーム会社・

ハウスメーカー

  • 家を建てた業者なら安心感がある
  • 他のリフォームと同時に依頼できる
  • 費用が最も高額になりやすい(中間マージン)
  • 対応が遅い
  • エコキュート専門ではない
住宅の長期保証などで、依頼先が指定されている人
地域密着の水道・電気工事店 地域密着で、すぐ駆けつけてくれる可能性がある エコキュート全般、特に最新機種に関する専門知識が業者によってばらつきがある
  • 優良業者の情報を持っている、または探す手段を持っている
  • 費用を抑えつつ、迅速な対応を求める人

結論として、保証期間が切れている場合は、「給湯器専門業者」、または水道・電気工事店が費用、スピード、技術力のバランスが最も取れており、最適な選択肢となることが多いです。 問題は、その中からいかにして「優良な」専門業者を見つけ出すか、という点にあります。

優良業者を見抜くチェックリスト

信頼できる業者を選ぶために、問い合わせや見積もりの際に以下の7つのポイントを必ず確認してください。

資格と許認可の有無

これは最も重要な確認事項です。エコキュートの工事には、「第二種電気工事士」(電気工事)や「給水装置工事主任技術者」(水道工事)といった国家資格が法的に必要です。

また、水道局から認定された「指定給水装置工事事業者」であることも、信頼性の高い業者の証です。これらの資格情報をウェブサイトに明記しているか、質問に対して明確に回答できるかを確認しましょう。

見積もりの明確さ

信頼できる業者は、詳細で分かりやすい見積書を提示します。「エコキュート修理一式 〇〇円」といった大雑把なものではなく、「部品代」「技術料」「出張費」などの内訳がきちんと記載されているかを確認します。

不明な項目があれば、遠慮なく質問しましょう。

料金体系の透明性

見積もり以外の追加料金が発生する可能性について、事前に説明があるかどうかも重要です。優良業者は、「もし現場で〇〇のような状況が判明した場合は追加で△△円かかる可能性がありますが、作業前に必ずご相談します」といったように、透明性のある説明を行います。

施工実績と専門性

その業者がエコキュートの修理・交換をどれだけ手掛けてきたかを確認します。ウェブサイトに、写真付きの具体的な施工事例が豊富に掲載されている業者は、経験と実績があると判断できます。

問い合わせの際に、自宅のエコキュートのメーカーや型番を伝えて、その機種に関する知識があるか試してみるのも有効です。

口コミと評判の質

インターネット上の口コミは重要な情報源ですが、その「質」を見極める必要があります。単に「良かったです」といった漠然とした高評価が並んでいるサイトよりも、「XXX(エリア名)在住ですが、〇〇という症状で連絡したら、△時間で来てくれて、□□という原因を丁寧に説明してくれた」といった具体的な内容の口コミが多い方が信頼できます。

極端に良い評価と悪い評価に二極化している場合は、サクラレビューの可能性も疑いましょう。

保証とアフターサービス

メーカーの「部品保証」とは別に、業者が行う「工事保証」があるかを確認しましょう。万が一、施工不良が原因で再度トラブルが発生した場合に、無償で対応してくれる保証です。

保証内容と期間を事前に書面で確認することが大切です。

対応の迅速さと丁寧さ

最初の電話応対の時点から、業者の姿勢は判断できます。こちらの不安な状況を理解し、丁寧な言葉遣いで、質問に根気よく答えてくれる担当者がいる業者は信頼できる可能性が高いです。

また、お湯が使えない状況は緊急性が高いため、「24時間365日受付」や「即日対応」を謳っているかも重要な選択基準となります。

よくある質問

メーカー保証や延長保証期間内なら、エコキュートの修理は無料ですか?
はい、多くの場合で無料になりますが、条件があります。メーカーの無償保証や有料の延長保証は、取扱説明書に従った正常な使用状況下で発生した「自然故障」が対象です。この場合、修理にかかる技術料、部品代、出張費は原則無料となります。

ただし、以下のようなケースは保証の対象外となり、保証期間内であっても有償修理となるのが一般的です。

地震、落雷、水害などの天災による故障
使用上の誤りや、不適切なメンテナンスによる故障
施工不良が原因の故障
ネズミやナメクジなどの小動物の侵入による故障
消耗部品の交換

一般的なメーカー無償保証期間は、「本体・リモコンが1年間」「冷媒回路(ヒートポンプユニット)が3年間」「貯湯タンク(水漏れ現象)が5年間」と定められていることが多いです。有料の延長保証に加入すると、この期間が最長10年間に延長されます。
エコキュートの修理・交換で補助金は使えますか?
修理には補助金は使えません。 国や地方自治体が実施している補助金制度は、省エネルギー性能の高い新品のエコキュートへの交換(新規設置)を促進するためのものであり、既存機器の修理は対象外です。

高額な修理費用を払う代わりに、補助金を活用して最新の省エネ機種に交換した方が、長期的に見て経済的メリットが大きくなるケースが多々あります。独自の補助金制度を実施している場合があるため、交換を検討する際は、国とお住まいの自治体の両方の制度を確認することをおすすめします。