うっかり流した「おしり拭き・生理用品」がもたらすリスクと安全解決法

【慌てないで！】トイレにおしり拭き・生理用品が詰まった！自分でできる解消法と絶対NGな行動

「トイレにおしり拭きを流してしまった…」「生理用品が詰まったかもしれない…」

今、あなたはこのように強い不安と焦りでパニックになっているかもしれません。便器の水が今にも溢れそうで、どうしていいかわからない。業者を呼ぶと高額な費用を請求されるのではないか、特にマンションだと階下への水漏れが心配で頭が真っ白…という方もいらっしゃるでしょう。

でも、どうか安心してください。この記事では、水道修理のプロとして、そんなあなたの不安を解消するために「今すぐやるべきこと」「絶対にやってはいけないこと」「自分で直すための具体的な手順」を、誰にでもわかるように丁寧に解説します。

この記事を最後まで読めば、冷静さを取り戻し、ご自身の状況に合った最適な行動がとれるようになります。まずは深呼吸して、一緒にこの問題を解決していきましょう。

まずは落ち着いて！詰まった時に絶対やってはいけないNG行動3選

パニックになっている時ほど、間違った行動をとってしまいがちです。しかし、トイレつまりの場合、その「うっかり」が被害をさらに拡大させてしまうことがあります。まずは、事態を悪化させないために、絶対にやってはいけない3つのNG行動から確認しましょう。

NG①：水を何度も流す（水が溢れて二次被害に）

「もう一度流せば、勢いで流れるかも？」という期待から、レバーを引いてしまうのは最も危険なNG行動です。

おしり拭きや生理用品で詰まっている場合、水はほとんど流れなくなっています。ここでさらに水を流すと、便器から水が溢れて床が水浸しになってしまう危険があります。

特にマンションやアパートの場合、溢れた水が床材を傷めるだけでなく、階下の部屋へ漏水する「二次被害」を引き起こす可能性があります。そうなると、床の張り替えや階下への損害賠償など、修理費用とは比べ物にならないほど高額な費用が発生するケースもあります。

詰まったと感じたら、絶対に水は流さないでください。

NG②：ラバーカップ（スッポン）を使う（固形物を奥に押し込むだけ）

トイレつまりの道具としておなじみのラバーカップ（スッポン）ですが、おしり拭きや生理用品のような固形物の詰まりには絶対に使ってはいけません。

ラバーカップは、本来、水に溶けるトイレットペーパーなどを圧力で崩して流すための道具です。しかし、おしり拭きや生理用品などの水に溶けない固形物には、かえって詰まりを悪化させ、異物を排水管の奥へ押し込んでしまうリスクがあります。

一度奥に押し込まれて固着してしまうと、自力での解決はほぼ不可能になり、専門業者による便器の取り外しなど、大掛かりで高額な作業が必要になってしまいます。

NG③：放置する（自然には絶対に直らない）

「少し時間を置けば、ふやけて流れるかも…」という期待も、残念ながら通用しません。

おしり拭きや生理用品、オムツなどは、水に溶けるようには作られていません。特に、生理用品やオムツに使われている「吸水性ポリマー」は、時間を置けば置くほど水を吸収して何倍にも膨張し、排水管内でより強固な塊となってしまいます。

放置は事態を悪化させるだけです。詰まりに気づいたら、すぐに正しい対処を始めることが被害を最小限に食い止める鍵となります。

自分でできる！生理用品・おしり拭きの詰まり解消4ステップ

NG行動を理解したら、次はいよいよ自分でできる解消法です。専門的な知識がなくても、落ち着いて手順通りに進めれば解決できる場合があります。安全のため、無理をせず慎重に作業をしてください。

STEP1：【作業前の準備】止水栓を閉め、床を養生する

作業を始める前に、必ず以下の準備を行ってください。

1. 止水栓を閉める：これ以上便器に水が供給されないように、トイレの止水栓を閉めます。止水栓は、トイレのタンク横や壁、床から出ている給水管の途中にあることが多いです。ハンドル式なら手で、ハンドルがないタイプならマイナスドライバーを使って、時計回りに回らなくなるまで閉めてください。
2. 電源プラグを抜く：温水洗浄便座（ウォシュレットなど）をお使いの場合は、感電防止のために必ず電源プラグを抜いておきましょう。
3. 床の養生：作業中に水が跳ねたり、汚れたりするのを防ぐため、便器の周りの床に新聞紙やビニール袋、古いタオルなどを敷き詰めておきましょう。
4. 換気：窓を開けるか換気扇を回し、トイレの換気を良くしておきましょう。

STEP2：目に見えるならゴム手袋で直接取り出す

一番確実で安全な方法は、詰まりの原因となっている物を直接手で取り出すことです。

衛生的に抵抗があるかもしれませんが、これが最も被害を広げずに解決できる最善策です。肘まで隠れるような長めのゴム手袋を着用し、便器の排水口の奥にそっと手を入れて、おしり拭きや生理用品を探してください。

指先に異物が触れたら、ゆっくりと掴んで引き抜きましょう。原因が取り除ければ、詰まりは解消します。

STEP3：奥にある場合はワイヤー式パイプクリーナーを慎重に使う（力加減の注意点も詳しく）

手を入れても届かない少し奥に詰まっている場合は、「ワイヤー式パイプクリーナー」が有効です。ホームセンターやインターネットで1,000円〜3,000円程度で購入できます。

【使い方と注意点】

1. ワイヤーの先端を、便器の排水口にゆっくりと挿入していきます。
2. 「ゴン」と何かに突き当たったら、それが詰まりの原因です。
3. 絶対に無理に押し込まないでください。目的は「押し流す」ことではなく、「引っ掛けて手前に引き出す」ことです。
4. ハンドルをゆっくり回したり、ワイヤーを少し前後させたりして、先端のブラシ部分に異物を絡めとるイメージで慎重に操作します。
5. うまく引っ掛かった感触があったら、ゆっくりとワイヤーを引き抜きます。

力任せに操作すると、便器の陶器を傷つけたり、異物をさらに奥へ押し込んだりする危険性があります。あくまで優しく、慎重に作業してください。

STEP4：「流せるおしり拭き」は溶けない！他の詰まりと同様に対処

「“流せる”タイプのおしり拭きだから大丈夫だと思った」という方も多いかもしれません。しかし、これは大きな誤解です。

「流せる」と表示されている製品も、トイレットペーパーのように水中で完全に分解されるわけではありません。あくまで「水にほぐれやすい」というだけで、繊維そのものは残ります。そのため、一度にたくさん流したり、他のものと一緒に流したりすると、トイレットペーパーよりも詰まりの原因になりやすいのです。

対処法は、通常のおしり拭きや生理用品の場合と同様です。「流せる」という表示に安心せず、固形物として注意して処理してください。

「流したけどまだ詰まってない…」様子見は危険？今後のリスクは？

「うっかり流してしまったけど、今のところ水は普通に流れる」という状況の方もいるでしょう。「大丈夫だったのかな？」と様子を見たくなる気持ちはわかりますが、その判断は非常に危険です。

水に溶けない異物は、排水管の途中（曲がり角や排水トラップなど）に引っかかっていることもあります。この場合でも、まだ少し水が流れることがあります。

しかし、その後に流したトイレットペーパーや排泄物がその異物に絡みつき、徐々に水の通り道を塞いでいきます。このような状態が続くと、やがて完全に詰まり、水が逆流してしまう恐れがあります。

まだ詰まっていなくても、様子見は絶対にNGです。排水管の奥で詰まってしまうと自力での解決は困難になるため、不安な場合はこの時点で専門業者に点検を依頼するのが最も賢明な選択です。

自分で直せない時のサインは？業者を呼ぶべき3つの判断基準

自分で対処を試みても、どうしても解決できない場合があります。無理に作業を続けると、かえって状況を悪化させてしまうことも。以下の3つのサインが見られたら、すぐに作業を中止し、専門の水道修理業者に連絡しましょう。

1. 異物が全く見つからない、またはワイヤーが届かない
   便器の排水口からかなり奥の方へ流れてしまった可能性が高いです。この場合、専用の機材がないと取り出すことはできません。

2. 水位が全く下がらない、または「ゴボゴボ」と音を立てて上がってくる
   排水管が完全に塞がれているサインです。これ以上、自力で対処するのは危険です。

3. 何を試しても状況が改善しない
   STEP4までの方法を試しても一向に詰まりが解消されない場合は、無理せずプロに任せましょう。原因が他にある可能性も考えられます。

トイレつまりの修理費用はいくら？料金相場と作業内容を一覧解説

専門業者に依頼する上で、最も気になるのが費用だと思います。料金は詰まりの状況や作業内容によって大きく変わりますが、一般的な相場を知っておくことで、不当な高額請求を防ぐことができます。

料金相場一覧表

詰まりの程度	作業内容の例	費用相場（税込）	作業時間の目安
軽度	専用器具（ローポンプ）による圧力作業	8,800円～16,500円	30分～1時間
中度	ワイヤー機（トーラー）による異物除去	16,500円～33,000円	1時間～2時間
重度	便器の取り外し、高圧洗浄機による作業	33,000円～88,000円	2時間～半日

※上記はあくまで目安です。出張費や深夜・早朝料金が別途かかる場合もありますので、必ず作業前に見積もりを取り、料金の内訳をしっかり確認しましょう。

失敗しない！信頼できる水道修理業者の選び方4つのポイント【独自調査】

いざ業者を呼ぶとなっても、どこに頼めばいいか迷いますよね。残念ながら、中には高額な請求をする悪質な業者も存在します。ここでは、私たちが独自に調査した、信頼できる業者を見極めるための4つのポイントをご紹介します。

ポイント1：料金体系が明確で、見積もり後の追加料金がない

公式サイトに料金が明確に記載されているかを確認しましょう。「基本料金〇〇円～」と安さだけを強調している場合は注意が必要です。信頼できる業者は、作業前に必ず状況を確認し、料金の内訳が書かれた見積書を提示してくれます。その際、「見積もり後の追加料金は一切ない」と明言してくれる業者を選びましょう。

ポイント2：Googleマップの口コミでリアルな評判を確認する

公式サイトの良い口コミだけでなく、Googleマップなどで第三者からのリアルな口コミを確認することが非常に重要です。実際に利用した人の「スタッフの対応が丁寧だった」「料金の説明がわかりやすかった」といった具体的なコメントは、信頼性を判断する上で非常に参考になります。

ポイント3：水道局指定工事店であるかを確認する

「水道局指定工事店」とは、各自治体の水道局から、適切な工事ができると認められた事業者のことです。一定の基準をクリアしているため、技術力や信頼性の一つの目安になります。公式サイトなどで指定工事店であるかを確認してみましょう。

ポイント4：迅速な対応とアフターフォローの有無

トイレのトラブルは一刻を争います。「最短30分で到着」など、スピーディーに対応してくれるかは重要なポイントです。また、万が一修理後に再びトラブルが発生した場合に備え、「〇年間の無料保証」といったアフターフォローが充実している業者を選ぶとより安心です。

【マンション・アパートの方へ】管理会社への連絡は必要？責任は誰に？

マンションやアパートにお住まいの場合、階下への漏水リスクを考えると、より慎重な対応が求められます。

詰まりが発生したら、まずご自身で業者を探す前に、必ず管理会社や大家さんに連絡してください。物件によっては提携している修理業者が決まっていたり、火災保険が適用できるケースがあったりするためです。

費用の負担については、「詰まりの原因」によって異なります。今回のように、入居者がおしり拭きや生理用品などを流したことが「過失」と判断される場合は、原則として修理費用は入居者の自己負担となります。

万が一、階下へ水漏れ被害を与えてしまった場合、その損害賠償責任も負うことになります。こうした事態に備え、ご自身が加入している「個人賠償責任保険」が使えないかどうかも確認しておきましょう。（火災保険や自動車保険の特約として付帯されていることが多いです）

なぜ詰まる？おしり拭き・生理用品を流してはいけない科学的な理由

二度と同じ失敗を繰り返さないためにも、なぜこれらが詰まるのか、その科学的な理由を理解しておきましょう。

理由1：吸水性ポリマーが水を吸って何倍にも膨張するから

生理用品や紙オムツには、「高吸水性ポリマー」という素材が使われています。この素材は、自分の重さの何百倍もの水を吸収してゼリー状に固まる性質があります。狭い排水管の中で膨張すると、水の流れを完全に塞いでしまうおそれがあります。

理由2：「流せる」製品もトイレットペーパーのようには溶けないから

トイレットペーパーは、水に触れると繊維がバラバラに分解されるように作られています。一方、「流せる」おしり拭きや掃除シートは、水に濡れても破れにくいように、特殊な薬品で繊維が強化されています。そのため、水中で「ほぐれる」ことはあっても「溶けてなくなる」ことはなく、排水管のカーブなどで引っかかり、詰まりの芯となってしまうのです。

二度と繰り返さない！今日からできるトイレつまりの予防策

今回のトラブルを教訓に、今日からできる予防策を徹底しましょう。

• トイレには「排泄物」と「トイレットペーパー」以外は絶対に流さない。
• トイレ内に蓋付きの小さなサニタリーボックス（ゴミ箱）を設置する。
• おしり拭きや生理用品は、袋に入れてからゴミ箱に捨てる習慣をつける。
• 小さなお子様がいるご家庭では、おもちゃなどを流さないよう注意する。

まとめ：トイレにおしり拭き・生理用品を詰まらせたら、焦らず正しく対処しよう

トイレにおしり拭きや生理用品を流してしまった時、最も大切なのは「慌てないこと」です。パニックになって間違った行動をとると、被害を拡大させてしまう可能性があります。

最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

1. まずは止水栓を閉め、絶対に水は流さない。
2. ラバーカップ（スッポン）や放置はNG。状況を悪化させるだけ。
3. 自分で対処するなら、ゴム手袋で直接取り出すのが最善策。
4. 自力で解決できないと判断したら、無理せず信頼できる専門業者に相談する。

万が一、ご自身で直せなくても心配はいりません。信頼できるプロに依頼すれば、迅速かつ確実に問題を解決してくれます。今回の経験を活かし、これからのトイレの正しい使い方を心がけていきましょう。